2025年5月25日〜30日に開催されている「日本地球惑星科学連合2025年大会(JpGU 2025)」にて、弊社代表小長谷が下記のとおりポスター発表を行います。


■ 発表概要

  • 発表者:小長谷 瑞木
  • 発表形式:ポスター発表(5月28日)
  • 発表タイトル:Land–Sea Contrast of Nearshore Wind and Thermal Conditions at the Mutsu-Ogawara Test Site(むつ小川原試験サイトにおける沿岸域の風況および熱環境の陸海コントラスト)
  • 開催期間:2025年5月25日(日)~30日(金)
  • 開催場所:幕張メッセ(千葉県)
  • 大会公式サイト:https://www.jpgu.org/meeting_j2025/

■ 研究の背景と位置づけ

本研究は、NEDO「洋上風況観測手法の確立」事業の一環として、青森県・むつ小川原洋上風況観測試験サイト(https://mo-testsite.com/)において得られた観測データを用い、洋上風力発電の開発に不可欠な沿岸域の風況および熱環境の詳細な把握を目的として、陸上および沖合(約1.5 km)での比較観測を実施したものです。


■ 主な成果

  • 洋上地点(St.S)では、陸上地点(St.L)に比べて120m高で年平均風速が約6.4%高いことが判明し、洋上における風力発電の優位性が示されました。
  • 低高度(63 m)の陸風において、St.Sでは19%もの風速増加が観測されました。また、べき乗指数αで表される鉛直風のシアーは、St.L(α=0.32)の方がSt.S(α=0.19)よりも大きく、陸風の形成に対する地形の影響を反映していることが示されました。
  • 大気安定度の変動に注目すると、陸上では日射による日変動が目立つ一方で、洋上では海面水温の影響による季節変動が顕著であることが分かりました。

■ 今後に向けて

本研究は、わずか1.5 kmの距離でも陸上と洋上では風況や熱環境が大きく異なることを明らかにし、洋上風力発電の現地観測の重要性を再認識させるものです。レラテックでは今後も、再生可能エネルギーの普及に向けた調査・研究を積極的に進めてまいります。