このたび、弊社代表・小長谷が著者を務めた研究論文が、エネルギー工学分野の国際学術誌『Energies』(MDPI、Impact Factor: 3.2)に掲載されました。
本研究は、2019~2022年度に実施されたNEDO事業「洋上風況観測手法の確立」の一環として、むつ小川原洋上観測サイトで行われた大規模なライダー観測キャンペーンの成果に基づくものです。
論文では、沿岸から沖合にかけて配置された複数のライダーによる観測データを活用し、WRFモデルや複数のCFD(数値流体力学)モデルの精度検証を行いました。特に「大気安定度」の影響に焦点を当てた解析により、多くのCFDモデルが仮定する中立状態が実際の洋上環境では支配的ではなく、季節や時間帯によって大きな変動があることが明らかになりました。
その結果、大気安定度を適切に考慮するモデルが、特に鉛直風速プロファイルの再現において高い精度を発揮することが確認され、今後の洋上風力発電における風況解析手法の高度化に寄与する重要な知見となりました。
