こんにちは、レラテックの新宅です。レラテックでは風況シミュレーション・解析を担当しています。

新年度が始まりましたね。レラテック本社のある神戸大学でも、新年度の賑やかさを感じています。新入生と思われる学生の初々しさがほほえましいです。エネルギッシュな学生に負けないよう、チャレンジ精神を大切にまた一年励みたいと思います。

さて、今回ご紹介するトピックは、「洋上風車建設と船の種類について」です。

今年初めに発表された、秋田県沖の洋上風車稼働のニュースは大変目を引きました。同業の知人が何人か見学に行きましたが、「あまりにも壮大で驚いた」「風車への価値観が変わった」と称賛していました。

この秋田の洋上風車は、事業費用が約1,000億円、陸上・洋上を合わせた工事期間は約3年1)と、かなりスケールの大きな発電事業となっています。

この規模の洋上風車はどのようにして建設されていくのか?個人的にもとても気になりました。このコラムでは洋上風車の建設についてと、それに関連する船舶の特徴についてを前編・後編に渡り紹介したいと思います。

洋上風力発電設備の設置ができるまで

洋上での風車建設では、風車の羽(ブレード)や柱(タワー)などの部材を港から搬入し、洋上で建設作業を行うのが大きな流れとなります。

具体的には、基礎を搬入し施工した後、風車のブレード、ナセル(駆動部)、タワーを洋上へ運搬し、基礎上に据え付けます。大規模な洋上ウィンドファームであれば、その施工年数は、複数年にまたがるとされています。

出典:国土交通省 港湾 https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001475812.pdf  (参照2023-4-26)

これら一連の作業はすべて海上で行われるので、さまざまな特殊船舶が必要になります。陸上での建設のように、クレーンやトラックといった建設車両の役割を船舶が担うのです。

洋上風車の建設や操業にかかわる船舶として、約10種類の船が挙げられています2)

コラムの後編では、これらいくつかの船舶について、その役割を詳しく見ていきたいと思います。

1) 秋田洋上風力発電株式会社 https://aow.co.jp/jp/
2) 日本風力エネルギー学会誌 vol.44 No.4 2020年 洋上風車設置工事と船舶 p.595-599

レラテックでは風況コンサルタントとして、風力発電のための「観測」と「推定」を複合的に用いた、最適な風況調査を実施いたします。